界面活性剤とは?男性でも知っておきたいシャンプー成分の基礎知識
Last Updated on 2020年11月28日 by himeoryon-67
こんにちは!
青山にて美容師をやっております加藤亮平と申します。
30代後半から40代の男性は薄毛や抜け毛、髪の毛の乾燥やボリュームが気になり始める頃ではないでしょうか?
頭皮や髪の毛はただ洗えばいいだけではなく、男性は毎日使うシャンプーがとても重要になってきます。
美容室で扱っているシャンプーはもちろん、市販で購入できるシャンプーも種類が多すぎて何を選べばいいのか悩んでしまうもの。
そこで今回は、
- シャンプーに含まれる界面活性剤
- 界面活性剤にの効果と種類
- 界面活性剤の注意点
についてお話ししていきたいと思います。
シャンプー選びの参考にしていただけると幸いです。
頭皮や髪の毛にあったシャンプーが気になる方はこちらからお問い合わせください。
界面活性剤とは?
よく聞くけどいまいちピンとこないワード、「界面活性剤」
界面活性剤とは分子の中に「親水基」という水になじみやすい部分と、「疎水基・親油基」という油になじみやすい部分を両方持ち合わせた物質の総称のことです。
水と油を同じ容器に入れたとイメージしてみてください。
この2つは混ざり合うことなく分離してしまいますよね?
読んで字のごとくこの混ざり合わない2つの境目(界面)を混ざり合うように働かせる(活性させる)ものが界面活性剤と呼ばれるものです。
界面活性剤の働きによって水になじみやすい部分が水とくっつき、油になじみやすい部分が油とくっつくことで、本来混ざりにくい水と油を結びつけ物に付着した油汚れを落とす。
このようにシャンプーの中に含まれる界面活性剤は頭皮や髪の毛の汚れを落とす洗浄成分として活躍します。
界面活性剤の効果
シャンプーの中にはなぜ界面活性剤が配合されているのでしょうか?
界面活性剤の働きとその効果から理由を説明していきます。
驚く方もいるかもしれませんが、頭についた埃や汗(水分や塩分)といった汚れの多くは、シャンプーを使わず湯洗いだけでも約8割ほど十分落とすことができます。
ただし皮脂やスタイリング剤などの汚れ、お湯で落としきれない残りの2割はどうするか?
ここで登場するのが界面活性剤とうわけです。
お湯で落としきれない汚れを落とすためには界面活性剤は必要不可欠ということです。
最初にお話ししたように、界面活性剤には水と油をなじませる働きがあります。この特性を活かすことで残りの2割である皮脂や油汚れを落としていきます。
汚れが洗浄される界面活性剤の仕組みについてみていきましょう。
<①起泡>
界面活性剤を溶かした水は、気泡を取り込み壊れないように安定化することで、泡立ちが良くなります。
髪の毛同士が擦れることでの摩擦ダメージを軽減してくれます。
<②浸透・膨潤>
界面活性剤が、頭皮や毛髪にしみ込み浸透することで、汚れがくっつく力を弱めます。また、汚れを膨潤させて浮かび上がらせ引き離します。
<③乳化・分散>
界面活性剤の親油基が、油性の汚れに付着しシッカリと取り囲みます。
そして、引き離された汚れを分散させシャンプー剤と混ざり合い、水やお湯で洗い流すことでスッキリ綺麗になります。
<④再付着防止>
一度引き離された汚れが、再度毛髪に付着するのを防ぎます。
<⑤帯電防止・殺菌効果>
さらに、界面活性剤にはシャンプーに期待される洗浄作用以外にも、リンスに期待される静電気を防止する作用や殺菌作用もあります。
界面活性剤の種類
界面活性剤と聞くと頭皮や髪の毛にとって良くないものいというイメージを持っていた方いませんか?
上でお話ししたようにお湯で落ちない皮脂やスタイリング剤等の油汚れを落とすには界面活性剤は不可欠なもの、というのはなんとなくお分かりいただけたかと思います。
ではなぜ「界面活性剤=悪いもの」というイメージがついてしまっているのか。
界面活性剤には確かに問題を引き起こすものもあります。
次にその種類と特徴をみていきましょう。
<①界面活性剤4タイプ(アニオン・カチオン・両性・ノニオン)の特徴>
上の表からも分かるように、シャンプー剤の主成分として配合されいるのは、アニオン界面活性剤と両性界面活性剤です。
- アニオン界面活性剤は、洗浄力が高く、泡立ちも良い。刺激が強い。
- 両性界面活性剤は、洗浄力は適度、泡立ちは少し悪い。刺激は弱い。
そして、シャンプー剤に含まれている界面活性剤(アニオン界面活性剤)は、おおよそ次の3タイプ、
- 高級アルコール系
- 石鹸系
- アミノ酸系
両面界面活性剤はこちら
- ペタイン系
に分けることができます。
<②シャンプー剤に配合される界面活性剤4タイプ(高級アルコール系、石鹸系、アミノ酸系、ベタイン系)の特徴>
界面活性剤の注意点
「界面活性剤=悪いもの」
このイメージは界面活性剤の洗浄力・脱脂力の強さによって引き起こされる問題が、界面活性剤の存在そのものを否定するような誤解に繋がったと考えられます。
天然、合成に関わらず、化学物質には「100%安全なモノ」は存在しません。
各々の化学物質が有害か、有害ではないかは、そのものが持つ毒性の強さと使い方の組み合わせによって決まります。
界面活性剤による頭皮・毛髪のトラブルを避け予防する為にも、正しい選び方・使い方を学ぶことが大切です。
<注意点①>
アミノ酸系・ベタイン系のシャンプーは、低刺激プラスまた、脱脂力も程よくあるので、適度に皮脂を取ってくれるのでオススメです。
ただ、高級アルコール系のシャンプーは洗浄力・脱脂力が強く綺麗にクレンジング出来るので、脂性の肌で皮脂が多い人にはすすめられます。
しかし、毎日使用するには刺激が強すぎるので、週に2~3回の使用に留め、残りはアミノ酸系・ベタイン系の低刺激シャンプーの使用をおすすめします。
<注意点②>
ここまで界面活性剤について説明してきましたが、一番注意して欲しいのそもそも洗い残しがないようにしっかりと洗い流すということです。
どんなにアミノ酸系の界面活性剤入りのシャンプーを使用していても、洗い残しがあったら頭皮や毛髪に悪影響です。
これでは、どんなに低刺激のシャンプーを使用していても意味がありません。その逆で、刺激が強いシャンプーでもしっかりと洗い流せていた場合は、トラブルが少なくて済みます。
シャンプーで洗った後は、綺麗に水やお湯で洗い流しましょう
正しいシャンプーの仕方についてはこちらをご覧ください。
まとめ
界面活性剤は悪いものではなく必要なもの。
正しい知識と選び方で頭皮と髪の毛は健やかに保つことができます。
男性はシャンプーは汚れが落ちればいいと思いがちですが、界面活性剤の基礎的な知識を知ることでシャンプー選びも少し変わってくるのではないでしょうか?
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加藤亮平
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